
20年にわたって都市計画法違反(無許可建築)に問われている民間動物園のノースサファリサッポロ(札幌市南区)が10日、9月末に閉園するとホームページで発表した。
動物たちを協力施設へ移動させている最中で、残りの半年は「受け入れ準備時間の確保や飼育スタッフの雇用を維持するため」としている。運営するサクセス観光の星野和生社長が引責辞任し、後任には目黒清志園長が就く人事も併せて明らかにした。
動物については「安全と福祉を最優先に考え、適切な環境での管理を継続するため、慎重に対応を進めている」といい、「最後まで動物たちにとって最善の環境を提供できるよう尽力して参ります」としている。
施設の除却(撤去)命令を出すか検討している札幌市の秋元克広市長は同日、「建物の撤去を進めてもらうとともに、動物の適切な管理を続けることはもとより、今後の受け入れ先の確保に努めるよう引き続き指導する」とコメントした。
市は開園前の2004年から行政指導してきたが改善せず、当初は10棟だった違法建築物が昨年には150棟にまで増え、行政処分の検討を始めた。
ノースサファリサッポロはライオンやトラなど150種ほどの動物を飼育・展示している。動物と近距離でふれあえるのが特徴で、テレビのバラエティー番組にも登場した。ただ、最近はネット上で、こうした飼育展示が動物福祉の観点から不適切とする批判も出ている。